オリンピック帰化選手の悲哀
https://news.yahoo.co.jp/articles/ceb86654f71f44c034afc9b4c92d5600adab8d85?page=1
『【AFP=時事】フリースタイルスキーの谷愛凌(Gu Ailing、18)とフィギュアスケートの朱易(Zhu Yi、19)はいずれも、米国で生まれ育ったが、北京冬季五輪では中国代表として出場した。
しかし両選手は今大会で対照的な運命をたどり、外国出身の中国選手に対する熱狂と非難は紙一重の差であることを浮き彫りにした。
英語名をアイリーン・グー(Eileen Gu)という谷は、8日に行われた新種目の女子ビッグエアで金メダルを獲得。
中国のファンを沸き立たせ、称賛の嵐を受けた。
一方、米国でビバリー・ジュウ(Beverly Zhu)として生まれ育った朱は、6日に行われた団体戦の女子シングル・ショートプログラム(SP)で転倒し、中国の決勝進出を危うくした。
さらに翌7日のフリースケーティング(FS)でも2度転倒し、氷上で涙を見せた。
しかし、そんな朱の姿も中国のSNS上では同情を得られず、多くの人々がミスを酷評。中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)では、「#ZhuYiFellOver(朱易転倒)」というハッシュタグが2億3000万回も閲覧された。
中傷があまりに激しかったため、当局は一部の投稿を検閲したとみられている。
■対照的な2人 14億人の人口を抱える中国は近年、サッカーやアイスホッケーなどの代表チームに外国生まれの選手を登用し、戦力を強化している。
こうした強化策は他国でも行われているが、中国は外国人の流入が少なく、二重国籍も禁止しているという点で際立っている。
しかし習近平(Xi Jinping)国家主席の下では、線引きの基準があいまいになっているようだ。
英ロンドン大学(University of London)東洋アフリカ研究学院(SOAS)で中国研究院の代表を務めるスティーブ・ツァン(Steve Tsang)教授は「祖国に貢献できると判断されれば、中国はそうした人物に非常に気前よく報いる」と指摘する。
谷は米国人の父と中国人の母の間にカリフォルニア州で生まれ、今も米国に居住。学業優秀で、モデルとしても活動している。北京なまりの標準中国語を話し、中華料理が大の好物だと公言する谷は、中国で熱狂的なファンを獲得。
中国の有名ブランドと相次いで広告契約を結んでいる。ただ、8日の金メダル獲得後、外国人記者から繰り返し米国籍の有無について問われても、明言は避けた。
一方の朱は、中国代表になることを決めた時点で、米国籍を放棄した。しかし、多くの人から愛される谷とは対照的に、拙い標準中国語や出自など、さまざまなことを理由に中傷を受けている。
一部のSNSユーザーは、何の根拠もなく、朱が五輪に出場できたのは著名な人工知能(AI)専門家である父のおかげだとほのめかした。
■危うい綱渡り
谷と朱は、中国と米国のどちらのアイデンティティーを表に出すか、紙一重の綱渡りを強いられている。両国の関係は過去数十年で最も悪化しており、米国は新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)など中国国内での人権問題をめぐり、今大会で外交ボイコットを行っている。
谷の中国の主要スポンサーの一つ、スポーツウエアブランドの安踏(アンタ、Anta)は、権利団体が強制労働の産物だと指摘する新疆ウイグル自治区産の綿の使用を堂々と公言している。
また、谷はインスタグラム(Instagram)を頻繁に使用しているが、一部のユーザーからは、中国では国民のほとんどがインスタグラムも含む各種インターネットサービスの利用を制限されている事実を忘れているとの批判も出ている。
谷は金メダルを獲得した日、記者から中国と米国の人々をどちらも喜ばせるのは大変ではないかと尋ねられた際に、こう答えて非難を退けた。
「私は誰かを喜ばせようとしているわけではない。私は18歳の女の子で、人生を精いっぱい楽しもうとしているだけ」 【翻訳編集】 AFPBB News』
アメリカと中国。
中国が超大国になって鎬を削る両国だが、オリンピックなどでは帰化選手を利用して強化する国が出てくる。 これは中国だけの話ではない。
どんなことよりオリンピックに出るのが一番という覚悟を持った人ならいいけど、アメリカと中国では政治的な考え方や個人の自由などで大きく異なる。
金メダルを取ったのもあるけど、アイリーン・グー(Eileen Gu)の人気はは美貌で中国語が流暢という事もありそうだ。
中国の有名ブランドと相次いで広告契約を結んでいるのも、大きそうだね。スポンサーがつくだけの人気があるし、後援している分、その会社もアイリーン・グー(Eileen Gu)を守ろうとするだろう。
実際中国で人気があっても米国籍を放棄しているかどうかは微妙。 生活拠点もアメリカから中国に移したわけではないからね。
対照的なのが、同じアメリカからの帰化選手、ビバリー・ジュウ(Beverly Zhu)。 ビバリー・ジュウ(Beverly Zhu)は拙い標準中国語や出自などで非難を受け続けている。
この言葉ってみんなが思っている以上に大きいのではないか?
言葉が不自由な人を自分の国の代表と認めない人も一定数出てくるだろう。
中国政府やオリンピック協会などの思惑と違って、中国国民は多種多様な考えを持っているからね。
しかもフィギュアの団体で失敗したから風当たりも一段ときつくなるよね。
でも、中国のフィギュアスケートのオリンピック選手としてビバリー・ジュウ(Beverly Zhu)を選んだのは、これまた中国人なんだよ。
しかもビバリー・ジュウ(Beverly Zhu)は米国籍を完全に捨てて、中国人として生きようとする覚悟をしているのにね。
正直、血のつながりもそうだけど、育ってきた環境ってメチャクチャ大事だと思う。人権や自由などアメリカと中国では、国民の考え方が全く違うからね。
アメリカと中国の関係が悪化している現代、彼女たちにとってどちらのアイデンティティを出すのか、かなり神経を使いそうだね。 どちらの国民からも祝福されることは、ほとんどないだろうな。
アイリーン・グー(Eileen Gu)は中国で人気がある一方で、アメリカ人から見ればどうだろうか。
アメリカ人として出場することもできただろうに、中国人として北京冬季オリンピック出場して金メダル。
そんなアイリーン・グー(Eileen Gu)は、アメリカ人にとっては面白いはずもないだろう。これからはずっと中国に住めと主張する輩も出てきそうだね。
逆にビバリー・ジュウ(Beverly Zhu)は米国籍を捨てて、後悔しているのではないだろうか。 今後中国に住むにしても、アメリカに住むにしてもどちらも不自由な生活になりそうだ。
中国でこれだけSNSでバッシングされれば、身の危険を感じてもおかしくはない。
アメリカ居住を選ぶにしても、中国人代表としてオリンピックに出場したので様々な冷たいアメリカ人の目もあるだろう。
何より中国人となると外国人扱いだから、手続き面でも色々面倒になりそうだ。 それに中国のパスポートだと世界を飛び回る時にも不自由になってくるかもしれない。
入国拒否はなくても、VISA取得が義務付けられたりね。
ビバリー・ジュウ(Beverly Zhu)にしてみれば、中国代表となったのでアメリカ国籍を捨ててオリンピックに出場したのに、ミスをして同国人となるはずだった中国人に受け入れられない状況になっている。
北京冬季オリンピックで失ったものはメダルだけじゃないかもしれないね。
因みにフィギュア男子のネイサン・チェンも、中国系だけどアメリカ代表で金メダルを獲得した。中国ではSNSなどを見ると、あまり歓迎されていないようだね。
帰化をするという事は、本当にその国の文化や習慣を理解していないとうまくいかないのではないか。オリンピックが終わっても、帰化した状況はついて回るからね。
国籍を変えるには色々な問題がある。
スパイが帰化をして法的に自由になると問題になる。 愛国心を持つどころか、争乱を目的として帰化をするような輩がいた場合を考えると怖いよね。
帰化を許可する基準をきちんとしておかないと、国を亡ぼす手段として利用されることもありそうだ。 こんな本があると、ちょっと心配になるなぁ。