フェルメール絵画攻撃の意図

環境活動家と名画  

『【ブリュッセル時事】気候変動対策を訴えるため、環境活動家が名画を攻撃する事件が欧州で相次いでいる。

 温暖化対策を協議する国際会議を来月に控える中、世界的な芸術作品を対象にすることで「より大きな関心を集める狙い」(米メディア)とみられるが、過激な行動には疑問の声も上がっている。

 オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館では27日、日本でも有名なフェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女が狙われた。

 AFP通信によると、環境活動家3人が絵画や周辺の壁に頭部や手を接着させたなどとして警察に拘束された。ガラスに保護されていた絵画自体は無事だった。

 ドイツでも23日、印象派の画家モネの「積みわら」にマッシュポテトが投げ付けられ、14日にはロンドンで、世界的に有名なゴッホの「ひまわり」トマトスープがかけられた。

 ゴッホ作品の攻撃に関わった英国の団体は、政府に化石燃料の新規開発停止を要求しており、世間に衝撃を与えて問題提起することが狙いだったとブログで説明した。

 近年、干ばつや洪水が各地で相次ぎ、温暖化の影響が指摘されている。

 国連は27日、各国が温室効果ガス削減目標を達成しても、世界の気温は今世紀中に2.8度上昇するとの試算を公表。来月6日からエジプトで開かれる国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)では、各国の排出削減の取り組み強化も議論される。  

 ノッティンガム大学のマシュー・ハンフリー教授は、仏放送局フランス24に対し「破壊的で地球規模の不可逆的変化に抗議している」と活動家に理解を示す一方、芸術作品への攻撃で「世論を遠ざける可能性がある」と懸念を表明した。

 ニューヨーク大学のスティーブン・ダンコム教授も米紙に「活動家がおかしなことをしているというメッセージが伝わっているならば、それは大義のためになるだろうか」と疑問を投げ掛けた。』

 環境活動家のゲリラ名画破壊作戦。  

 環境活動家が名画を攻撃する事件がヨーロッパで相次いでいる。気候変動対策を訴えるためらしい。その行動はインパクトはあるが、一般人の共感を呼ぶかと言えば疑問だ。

 今回はオランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館で、日本でも有名なフェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女が狙われた。   

 これまで、23日にドイツで印象派の画家モネの「積みわら」にマッシュポテトが投げ付けられ、14日にはロンドンで、世界的に有名なゴッホの「ひまわり」トマトスープがかけられた。  

 今回で環境活動家が名画を狙った攻撃は3回目だ。  
 しかも、犯行後に顔が映るように?その場から離れないように壁に手を付けたというおまけつき。  

 温暖化を始め、世界の環境悪化に警笛を鳴らすというのは理解できるが、名画を傷つけようとする行為はどうだろうか。

 インパクトだけを意識し、名画はガラスで保護されているから傷めることはないと計算しているのかもしれないが、絵画好きや画商などからは当然避難の声が上がっている。

 名画にスープなどをかける行為は世界のニュースにあがるインパクトを持っているのは確かだ。  

 ただ、環境問題に関心がある人も、そういう行為に賛同する人は少ないのではないか。

 逆に、名画を破壊しようとする奴らだから、彼らの主張も狂信的でおかしいと思ってしまう人も出てくるのではないか?  

 地球環境問題の問題提起になる前に、彼らに嫌悪感を抱く人も多く出るのではないかと個人的には思う。  

 温室効果ガス削減目標を達成しても、世界の気温は今世紀中に2.8度上昇するとの試算を公表した。目標達成も容易でない中での、非常に厳しい現実を突きつけられた形だ。  

 モルディブコモロなどの小さい島国、フィジートンガなど南太平洋の島嶼諸国などにとっては死活問題かもしれない。  

 気温が上がり、氷河北極南極などの氷が解け始めると、水温が上昇し、国土がなくなる可能性がある。  

 それよりに気候が変動することによって、大きな自然災害があちこちで起こってくるだろう。
 今年もパキスタンが大規模な洪水の被害にあった。

 それに関心を持ち、一人一人がエネルギーを抑制する意識も大事になってくるだろう。
 特に先進国や急速に発展してきた国などは、責任が大きい。

 ただ、その関心を引くために、ゴッホ、モネ、フェルメールといった世界的な名画を攻撃するのは違うと思う。

 過激な行動を起こせば、その主張に目が行くよりも、そもそもその主張に耳を傾けなくなるのではないだろうか。  また、彼らとは別の環境活動家は、一緒にされて迷惑を被るかもしれない。

 環境問題に注目させたい本来の目的を達成するための行動は、名画攻撃ではないと思うな。