ブラジル官邸の泥棒事件
『【AFP=時事】ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)新大統領の妻、ジャンジャ(Janja)ことホザンジェラ・ダシルバ(Rosangela da Silva)氏(56)は5日、アウボラーダ宮殿(Alvorada Palace、大統領官邸)の破損がひどく、美術品や家具が紛失している問題にも取り組む考えを明らかにした。
ホザンジェラ氏は地元テレビ局グロボ(Globo)に宮殿を案内し、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の在任中に荒れ放題になっていると述べた。
昨年5月にルラ氏と結婚したホザンジェラ氏は、建物の主要構造部が「劣化」したままになっていると述べ、破れたじゅうたんや傷んだ床、割れた窓、水漏れの跡が残る天井、家具が取り除かれた広間などを撮影班に示し、紛失または破損した家具や美術品は数知れず、19世紀の美術品も床に放置されていたと説明した。
ボルソナロ氏が毎週、極右の支持者向けに動画を配信していた書斎周辺には電子機器が散乱していた。
ホザンジェラ氏は、夫妻で宮殿に移る前に改修工事を行うとともに家具と美術品の目録を作成するとし、「この建物は国の史跡として登録されている」と述べ、「入居した大統領が歴史的な国有財産を持ち去る事態が二度と起きないように、この中にあるものを目録に加えていこうと考えている」と話した。 【翻訳編集】AFPBB News』
アメリカもそうだが中南米は大統領などトップが変わると、政府関係者も一斉に変わる。日本の政治システムとは大きく違う。
今回ブラジルの選挙では、ルラ大統領が僅差で返り咲いた。
そして大統領官邸に入ると、荒れ放題になって、紛失または破損した家具や美術品は数知れずという状態らしい。
ルラ大統領はボルソナロ元大統領の前に大統領職にあったから、大統領官邸の状況は知っているからね。
自分達が住んでいた頃と大きく変わっていたということだろう。
「入居した大統領が歴史的な国有財産を持ち去る事態が二度と起きないように、この中にあるものを目録に加えていこうと考えている」というが、なくなった物の請求ができないところがブラジルらしい。
証拠不十分ということだろうけど、一国のトップである大統領になった人物がそういうモラルのない人物だったということは、賄賂などの不正も常時行われていたといわれても仕方がないだろう。
少なくとも公平さは認められないだろうね。
中南米では政権の旨味に集まった関係者だけが得をするというのは時々耳にすることだけど。
まあ、このルナ氏自体、かつてマネーロンダリングと汚職の罪で有罪判決を受け、9年半の禁固刑を宣告されたという経歴の持ち主だけどね。政治の権力を失うと政敵に犯罪者にされるということもある。
妻のホザンジェラ氏は昨年結婚したばかりだから、以前ルラ氏が大統領だった時代にはいなかったので、今回の大統領官邸の惨状にビックリしたのかもしれない。
いずれにしても、ブラジルの政治は一筋縄ではいかないということだね。