カップルで踊ったら禁固刑
『イランで象徴的な場所とされる首都テヘランのアザディ広場の塔の前で、優雅に踊る若いカップル。 男性が女性を抱きしめて回ると、女性の長い髪がなびく――。
そんな動画が昨年、インターネットに投稿されて拡散した。その後、この若い2人が逮捕され、10年以上の禁錮刑を言い渡されたとして、ネット上で波紋が広がっている。AFP通信などが報じた。
報道によると、女性(21)と男性(22)は婚約していて、SNS上で共に多くのフォロワーを持つインフルエンサーだという。
米国を拠点とする人権団体のメディアによれば、2人は動画が広まった後の昨年11月初旬に逮捕された。その後、「不道徳な行為を広めた」罪や「国の安全を混乱させる目的で集まった」罪で10年6カ月の禁錮刑を言い渡された。
ネットの使用やイランからの出国も禁じられたという。
一方、米CNNによると、イラン司法府のニュース通信は、後者の罪でのみ5年の禁錮刑を言い渡されたと伝えているという。
イランでは、女性は髪を隠す布「ヒジャブ(ヘジャブ)」の着用が義務づけられ、男女が公の場で踊ることも許されていない。動画では、女性はヒジャブをつけていなかった。
昨年9月、マフサ・アミニさん(22)がヒジャブの着け方が「不適切」だとして逮捕された後に急死して以降、イランでは抗議デモが続いている。
捜査当局は今年1月に入り、着用に対する取り締まり強化を打ち出している。(植松佳香)』
男性が女性を抱きしめて回ると、女性の長い髪がなびく。 テヘランのアザディ広場の塔の前でカップルで踊っただけで、禁固刑になったというニュース。
日本や欧米ならごく普通の光景。 しかもカップルは婚約者同士。 それがイランでは、10年の禁固刑になるらしい。
日本だと仲が良くていいカップルだねと微笑ましい光景だけど、イランでは「不道徳な行為を広めた」罪や「国の安全を混乱させる目的で集まった」罪になるらしい。
イランでは、女性は髪を隠す布「ヒジャブ(ヘジャブ)」の着用方法で女性が死亡してしまった事件で、大きなデモが発生した。
つまり、イランの民衆はそんな不自由な社会を望んではいないということ。 だけど、イランはイスラム教国家。
イスラムの教えが何よりも優先されるという感じ。
イランでは、行政府、司法府、立法府の三権のほか、イラン・イスラム共和国軍(国軍)、イスラム革命防衛隊の両軍における最高位である最高権力者は、イスラム法学者(ウラマー)から選出されることになっている。
イスラム教の法学者トップが、イラン大統領よりも権力を持っている社会システムなのだ。 三権分立を超越する存在。
だから、イラン民衆の意見よりもイスラム教の解釈が最優先される国。 イラン国民が望んでいることが取り締まりの対象となる。 ネット使用禁止や出国禁止の措置が下される。
国のシステムはその国の国民が選択すればいいとは思うけど、最近は独裁者や一党政治がパワーを持っていて、その勝手な方針に従わないと罰せられるというニュースが増えてきた。
そういう意味では言論の自由、行動の自由がある日本は、かなり恵まれていると言えるかもね。