司法省手紙の誤審

死亡扱いされたカナダ人

『約2年間、海外生活を楽しんでいたカナダ出身のある男性は、帰国すると司法省から1通の手紙が届いていた。それは旅行前から請求されていた、スピード違反の罰金支払いの件だったが、「本人の遺産から回収したい」と書かれていたという。

  今も元気に生きている男性は、司法省に間違いであることを訴えているが、なかなか手続きが進まず、弁護士を通して対応してもらっているそうだ。
 カナダのニュースメディア『CTV News Montreal』などが伝えた。

 カナダ東部ケベック州モントリオールに住むニック・ファトゥロスさん(Nick Fatouros、34)は約2年間、コスタリカで過ごした。そして旅行を終えて帰宅すると、いくつか手紙が届いており、その中の1つはケベック州司法省からのものだった。

 いったい何の件で届いたのか、疑問に思いながら封を開けると、そこには「ニック・ファトゥロスさんのご逝去に伴い、遺産から未払いのスピード違反の罰金1092カナダドル(約12万円)を徴収させていただきたいです」という驚くべき一文が書かれていた。

 もちろん、“ニック・ファトゥロスさん”はニックさん本人のことであり、何かの手違いで司法省から死亡したものと見なされてしまったのだ。

 一方で、スピード違反に関しては事実であり、ニックさんは2022年に違反チケットを切られたが、それに異議を唱えていた。そして、そのやり取りが終わらないうちにニックさんは海外へ向かい、その件をすっかり忘れていたという。

 今月14日、カナダのニュースメディア『CTV News Montreal』のインタビューに応じたニックさんは、このように語っている。 「手紙を読んだ時は、『まさかこんなことが起きるなんて』と笑ってしまいました。違反チケットについて、完全に忘れていましたね。母親が手紙を開けていなくて、本当に良かったですよ。もし私が休暇で不在だった間に母親が読んでしまっていたら、『いったい何が起きているの!?』と大変な思いをさせることになったでしょう。」

 ニックさんは間違いを正すため、すぐに司法省へ電話をかけた。しかし担当者になかなか繋がらず、弁護士に依頼して政府にかけ合っているという。

 依頼を受けた弁護士のウィリアム・コルバトリー氏(William Korbatly)は、「このようなミスは時々起こりますが、非常に珍しいケースです。これはスピード違反の件だけでなく、今後の相続など様々なことに影響する可能性があります」と、早急な修正が必要であると述べた。

 今回の件について司法省は、「罰金徴収の担当官は、通常の手紙のテンプレートではなく、遺産に関するものを誤って使用していました。お詫び申し上げます。該当の市民には、適切なフォローアップを行っていきます」と、人為的ミスで発生したものだと公表した。

 ちなみに今年1月にはアメリカで、いとこの死亡証明書と遺灰を受け取ったにもかかわらず、3か月後に本人の生存が判明したという驚きのケースが話題を呼んでいた。』

 旅行から帰ったら死亡したことになっていた。
 カナダで起こった人為的ミス。  

 ケベック司法省によると、「罰金徴収の担当官は、通常の手紙のテンプレートではなく、遺産に関するものを誤って使用していました。お詫び申し上げます。該当の市民には、適切なフォローアップを行っていきます」だって。

 人為的ミスというのはあるだろうけど、解せないのは「適切なフォローアップ」の発言。

  ニックさんは間違いを正すため、すぐに司法省へ電話をかけたという。しかし担当者になかなか繋がらず、弁護士に依頼して政府にかけ合っている状態だとか。

  はあ?  

 適切なフォローアップって具体的に何なんだろう?
 どこの国でも役所って、自分達に都合のいい言い訳をする傾向があるよね。

 個人宛だったからか書類を誰にも見られなくて幸いしたが、運が悪ければ家族が見る可能性もあるかもしれない。 そうなると大問題だよね。

 最近はSNSが発達して、海外にいても気軽に家族、友人と連絡が取れるけど、一昔前だと大問題になっていたかも。そういう意味では良い時代になったね。

 ところで、罰金の話だけで死亡届戸籍はどうなってる?と日本人は思うけど、カナダ戸籍制度はないようだ。あんまり問題にならないのかね? 

 それでも死亡届は必要だと思うんだけど、ケベック司法省だけのミスだったのかな??