中国の花嫁介添人(伴娘)
『中古品フリマアプリの「閑魚」で「花嫁介添人(伴娘)」と検索すると、200~520元(約4000~1万円)ほどの花嫁介添人サービスが大量に目に飛び込んでくる。
このほか、プロの花嫁介添人でブライダル企業のアプリを通じて営業活動をしている人もいれば、微信(WeChat)のグループを通じて仕事をもらう人もいる。
■プロの花嫁介添人
「花嫁を引き立てる平凡なルックス」 「花嫁さんを引き立てます」、「目立ちません」、「平凡なルックスです」といったフレーズは、仕事を求めるプロの花嫁介添人の紹介文のほとんどに見られる。
結婚式の当日は、花嫁が「美」を独占するべきというのが、このほど取材したプロの介添人と花嫁のほぼ全員の共通認識だった。
プロの介添人の女性は、「この仕事は美人過ぎてはだめ、背が高すぎてもだめで、花嫁さんの引き立て役に徹しなければならないと思う」と話した。
また、「花嫁より目立たない」のがプロの介添人の基本的条件であり、基本的マナーでもあるという人もいる。
■なぜプロを雇うのか?
ソーシャルコマースプラットフォームの小紅書には、自分が介添人を頼んだ時の費用一覧を公開する人が少なくない。
必要経費として挙げられているのは、1000元(約2万円)に上る宿泊費、1000元に上る手土産代、数百元の親族へのご祝儀、さらには航空券代などだ。
プロを雇えば300~500元(約6000~1万円)のサービス料金だけで済む上、借りを作ることもない。
プロの介添人を雇った萌萌さんも費用を計算したことがある。
他の地域に住む友人2人に介添人を頼んだとしたら、高速鉄道の料金が往復で1400元(約2万8000円)ほど、口紅や香水などの手土産代が計2000元(約4万円)前後、母親からそれぞれに600元(約1万2000円)のアテンド料で計1200元(約2万4000円)、花嫁を迎えに行く時のゲームにも費用がかかり計1000元(約2万円)前後、ヒルトンホテルに2泊して大体1100元(約2万2000えん)だ。
一方で、プロを雇う場合は1人300元(約6000円)で済み、諸々の費用もかからない。
プロの介添人の青青さんは、「現代では心の底を見せ合える友人がいるという若者は少ない。よく知らない遠くの親戚に介添人を頼めば、ものすごく気を遣うし、よく知っている人に頼んでアテンド料を渡すとして、アテンド料が少なければ陰口をたたかれる。
だったらいっそのことプロを雇った方がいい。少なくとも気は遣わないし、支払いも1回で済む」と話した。
前出のプロの介添人の女性は、「プロの介添人を選ぶのは目下の新型コロナウイルス感染症の影響によるという人も少なくない。
友達が他の地域から来ることができないので、地元でプロを雇うしかないということだ。花嫁の中には、自分の友達が介添人の経験がないため、経験豊富なプロを探して、結婚の良い雰囲気作りをしたいという人もいる」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)』
花嫁介添人(伴娘)。
元々は欧米のブライズメイドといって、花嫁の友人数人がウェディング準備や挙式当日のサポートを行うことから来たらしい。
日本ではプロのスタッフがお世話をするのが一般的だから、あまり日本人には馴染みがないけど、中国では一般的のようだね。
その中国で、プロの花嫁介添人が人気らしい。
中国も一人っ子政策を長年続けてきて、友達が少ない人もけっこういるのだろう。 その代わりによく知らない親戚に頼るのは、気遣いも大変というのは理解できる。
それに地方から出てきてと会で結婚式を挙げる場合は、その移動費などの出費も馬鹿にならないだろう。 大親友ならまだしも、それほど親しくなかった人や親戚を遠方から呼ぶとなると、費用が嵩むだけで、心から祝ってもらえるかどうか。
しかも、その包んだお金の額が少なかったりしたら、後々まで陰口を言われるかもしれない。
そういうメンタル面だけでなく、大親友でも現在の中国はコロナに対してゼロコロナ政策を取っている。
チベットではロックダウンが続き、出稼ぎ者が仕事も満足になくなったのに、それでいて故郷にも帰れず、家賃などの出費だけ強いられる状況に怒りが爆発し、漢民族のデモが起きたとされる。
チベットではウイグルと共に、これまでも何度か暴動ニュースなどが流れることもあったが、今回のデモがちょっと違ったのはチベット民族ではなく、漢民族主体だったことだろう。
このように中国国内でもコロナのロックダウンの影響で、自由にできない。 そういう事情もあるのだろう。
それに、プロの花嫁介添人って何回も結婚式を経験しているわけだから、素人の友人や親戚よりもポイントがよくわかっていて結婚式がスムーズに進むというメリットもある。 何より、費用が安く済むなら頼む価値はあるかな。後腐れもないしね。
ただ、ある程度の仲の友人や親戚は呼ばないと、それこそ後で色々言われるかもしれないね。
それにしても笑っちゃうのが、「目立ちません」、「平凡なルックスです」といった花嫁介添人のアピールフレーズ。
これだと地味な女性で、よく気がつく女性の仕事にピッタリかもね。 1日で1万円ぐらい稼げるなら働く方にもメリットがありそう。
結婚式って、大体に土日や祝日が多いから、普段仕事をしている人もアルバイト感覚でできそうだ。 世の中、色々な仕事があるもんだね。