父は大統領
『サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグB組は25日(日本時間26日)、イングランドと米国が0―0で引き分けた。
偉大な父が立てなかった舞台で躍動している。米国のFWティモシー・ウェアは2試合連続ゴールこそならなかったが、「リベリアの怪人」の異名を取った父譲りのスピードで相手のゴールを脅かした。
3トップの一角で先発出場。サイドを突破したかと思えば中央に入ってゲームを組み立て、変幻自在に攻撃をけん引した。
前半20分過ぎには正確なクロスをゴール前でフリーだったマッケニーの足元へ。シュートがバーを大きく越えると、頭を抱えて悔しがった。
父はイタリアの名門ACミランなどで活躍した元リベリア代表のジョージ・ウェア氏で、現在は同国の大統領。
1995年に当時は欧州でプレーする選手を対象としていた最優秀選手賞「バロンドール」をアフリカ出身で初受賞するなど輝かしい経歴を持つが、W杯とは無縁だった。
ティモシーはニューヨークで生まれ、フランス1部のパリ・サンジェルマンの育成組織で育ち、現在は同1部のリールでプレー。W杯デビューを果たした今大会初戦のウェールズ戦ではゴールも決め、「夢がかなった」と喜びに浸った。
チームは強豪イングランドに前半こそ押し込まれたが、後半は圧倒。貴重な勝ち点1をもぎ取り、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。
父の思いも背負った22歳の戦いは続く。【アルホル細谷拓海】』
アメリカが強豪イングランドと引き分けた。
そのアメリカのFWにティモシー・ウェアがいる。
ウェアのお父さんは、「リベリアの怪人」と異名を取ったジョージ・ウェア氏。 ACミランなどで活躍し、アフリカ人で初めてバロンドール賞を取った人物。
バロンドール受賞と言えば、その年にサッカーで一番活躍した人という賞だ。しかも初めてアフリカ出身の選手に贈るということは、ダントツぐらいに他の選手と差がないと難しかったと思われる。
どうしても欧州選手の方が優位になるからね。今まで前例がなかったわけだし。
そういう意味でも、当時の「リベリアの怪人」は凄かったのだろう。
だけど、アフリカの国の中でもリベリアはサッカー大国ではない。
アフリカでは、カメルーン、セネガル、ナイジェリアなどや、エジプト、チュニジア、アルジェリア、モロッコと言ったアラビア語圏の国の壁が立ちはだかる感じだ。
「リベリアの怪人」もワールドカップとは無縁だったらしい。サッカーはチームスポーツだからね。絶対的エースが1人いるというのは大きいが、それだけで勝てるほど甘くはない。
その「リベリアの怪人」の息子はというとニューヨーク生まれということもあって、アメリカ代表としてワールドカップに出場している。
アメリカは国籍に関して日本のような血統主義ではなく生地主義を取っているから、どんな人でもアメリカで生まれたらアメリカ国籍を与えるからね。
それで中米などからの不法移民の原因になっている面もあるようなんだけど。
私が驚いたのは、「リベリアの怪人」が現役のリベリア大統領だということ。
世界にはスポーツで活躍して世界に名をとどろかせた選手が政治家になる例は多いけど、現役のリベリア大統領とは・・・。
それで息子がアメリカ人となるとまずくはないのだろうか?
父がリベリアの国民の為に働いているのに、その家族がアメリカ人として活躍している現状はアフリカンドリームとなるのだろうか??
ちなみにティモシー・ウェア選手は、リベリア国籍、フランス国籍もあるようだ。名門パリ・サンジェルマンの育成組織で育っているから、フランスに愛着があるのかと思いきや、そうではないようだね。
もしかしたら、フランス代表になって活躍するには高い壁があるから、ティモシー・ウェア自身のワールドカップ出場の夢にはアメリカ代表の方が都合が良かったのかもしれないね。あくまで推測だけど。
リベリア代表だとワールドカップ出場はもっと難しいだろうしね。
リベリアという国は、元々アメリカの黒人奴隷解放で建国された国で、アメリカとは結びつきが強い国。
ただ、内戦などもあり世界でも最貧国の1つに数えられるくらいだ。
お父さんのジョージ・ウェア氏はリベリア大統領だが、息子の活躍がどのように政治に影響するのか気になるところでもある。