ワールドカップの悲喜劇
『サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会は2日(日本時間3日未明)、H組のウルグアイがガーナに2-0で今大会初勝利を飾り、韓国と勝ち点4、得失点差0で並んだが、総得点で及ばず、4大会連続となる決勝トーナメント進出はならなかった。
ウルグアイは1点に泣いた。2点リードで迎えた試合終盤、同時刻に行われていたもう1試合で韓国がポルトガルに勝ち越した。16強入りするには得失点差で韓国を上回る必要があったが、追加点を奪えないまま試合終了。
ベンチに退いていたエースFWスアレスは泣き崩れた。
3試合目でようやくゴールを奪ったチームに、アロンソ監督は「もっと早くに、きょうのような戦いができていれば良かったが、選手たちはベストを尽くした」と振り返った。(アルワクラ 矢萩雅人)』
南米の有力国のウルグアイがグループリーグで敗退した。
それもあと数分で決勝トーナメントに出場するはずだったのだが、サッカ-はわからない。
状況はウルグアイ有利だった。
僅かに決勝トーナメントへの可能性を残していた韓国は、既に決勝トーナメント進出を決めていたポルトガルと対戦。実力的にはポルトガルの方が上の予想だった。
そして、ウルグアイは調子が出てきて、韓国に勝利していたガーナに2-0としたところで勝利を確信したのだろう。エースのスアレスを交代させた。
ウルグアイにとって決勝トーナメントへのライバルはガーナと見ていたのだろう。ガーナのことだけを見ていた可能性が高い。ただ、ポルトガルは負けても進出できるので、途中でエースのC.ロナウドを交代させていた。
ポルトガル対韓国は1‐1でアディショナルタイムに入った。このまま引き分ければウルグアイの決勝トーナメント進出が決まる。
その時に、韓国がカウンターから1点をもぎとったのだ。これでウルグアイと韓国は勝ち点、得失点差で並んで、総得点の勝負になったのだ。
ウルグアイとしてはまさかの展開だった。 当面のガーナだけを意識していて、韓国がポルトガルに勝つという可能性は除外していたのだろう。
しかも、韓国の得点はロスタイムでの得点で、ウルグアイに残された時間は少なかったのだ。ウルグアイがもう1点狙いをしていれば状況は変わったかもしれない。
ウルグアイの顔だったスアレスやカバーニにとって年齢を考えると、恐らく今回が最後のワールドカップだったろう。
かつては悪童と呼ばれていたスアレスが、あそこまで人目もはばからず泣くなんて余程悔しかったのだろう。スアレス自身がどこかの試合で1点でも挙げていれば決勝トーナメントに進めていたということもあるかもしれない。
南米勢がブラジル、アルゼンチンだけしか進めなかったというのも意外だった。
アルゼンチンだって、初戦でサウジアラビアに敗れて、常に敗退危機と隣り合わせで戦ってきたことを考えると、実力差は縮まっている。
今回はサウジアラビアがアルゼンチンに勝ったり、日本がドイツやスペインに勝ったりとアジア勢のジャイアントキリングが見られた。
また、アフリカ勢もチュニジアが前回優勝のフランスに勝利したり、カメルーンが優勝候補筆頭のブラジルに勝ったりした。優勝候補だったベルギーを破ったモロッコは1位通過でアフリカ勢も躍進した。
今回のワールドカップは展開が読めないと言われているのは、中東のカタールでやっているということも大きいと思う。
カタールは暑いので、いつものワールドカップと違って11月に行うということになった。ヨーロッパを始めリーグを中断してワールドカップを行っている。
その為か、ヨーロッパで活躍する有力選手に怪我が多い。全体練習も連携もいつもと違っているのではないだろうか。
また、中東の気候は慣れないときついだろう。日本も中東でやる場合は、ホームとは違った対策をしていた。アジア予選でも、中東では実力差以上に何が起こるかわからない怖さがあった。
今回、アジア勢が3か国も決勝トーナメントに進んだのは史上初。
それは中東での試合に慣れていたというメリットもあったのではないかと思う。
日本の次戦はクロアチアと対戦。
守りの要の富安や遠藤、酒井などが怪我から復帰してくれば、少しキャプテンの吉田を休ませることもできそうだ。
GKの権田は好調を維持しているので、守って耐えていれば今の日本ならどんな強豪国でもチャンスはあると思うな。
頑張れ、日本!