停戦への願い:戦争と市民の苦しみ

ロシア移民の国籍剥奪

ロシア内務省は19日、軍への登録義務を果たさなかったとして、ロシア極東に住む移民3人のロシア国籍を剝奪(はくだつ)したと発表した。インタファクス通信が伝えた。

   ウクライナ侵攻の長期化兵士の確保が難しくなっているとみられ、移民らを対象に兵役逃れの摘発を強めている。

    国籍を剝奪されたのは、極東ハバロフスク地方に住むタジキスタン出身の男性3人。8月にロシア国籍を取得したが、軍への登録をせず、内務省などに拘束された。ロシアからの追放処分になるという。  

 この地方の軍関係者によると、今回の摘発を含む大規模な調査の結果、700人以上が軍に登録され、すでに17人が秋の徴兵で招集されたという。』

 8月にロシア国籍を取得したタジキスタン出身者が軍に登録しなかったとして国籍を剥奪されたというニュース。

 ロシアウクライナとの長引く戦争の影響で兵器や兵士の確保が難しくなってきているとは言われていた。  

 プーチン大統領が以前徴兵した時に、多くのロシアの若者ジョージアなど周辺諸国に逃げ出した事実がある。

 刑務所の囚人を兵士に仕立て生きて帰ったら恩赦として自由の身になる政策も行った。
 ただ、元々の悪人を半年後、ロシア社会に放つ政策は、ロシア市民を怖がらせてもいた。

 ウクライナの最前線に送られたにわか兵士の多くは亡くなったり重傷を負って帰国していると言われている。まあ、当然だろう。

 戦争の訓練もままならず、機関銃などの設備などもお粗末だったまま最前線に送られたら、死ぬ確率は倍増するだろう。

 今回のロシア国籍剥奪ニュースで、けっこうプーチン政権は追い込まれている事が想像できる。

 兵士を前線に送り込みたいが兵士の数が足りないのだ。
 だからと言って、再びロシア人に対して徴兵を行うと、ロシアの若者の更なる流失や既に息子を失った家族や遺族からの不満が爆発する可能性がある。

 だから、兵士集めも首都モスクワよりも遠い、シベリアの少数民族からの入隊を各地方政府にノルマを与えて確保していたとも言われている。

 それでも間に合わなくなったのか、最近では北朝鮮からの兵士1万人を前線に送るというニュースが話題をさらっていたよね。

 北朝鮮金正恩氏とプーチン大統領は国際的孤立からの脱却と共産主義の同志として、今までにない緊密な関係を築いている。

 北朝鮮としては国際的な制裁で経済が疲弊している中、ロシアへ兵士派遣すれば、その分外貨獲得ができるわけだ。しかも、大量の兵器やミサイルを輸出しているらしいので、自分達で北朝鮮兵器の性能が実践でテストできるというメリットもある。

 ただ一方で、ウクライナ欧米からの最新兵器を使用できるようになるから、多くの北朝鮮兵士から死者を出すことにもなりかねない。

 そうなると北朝鮮人民の命など屁とも思っていない金正恩総書記でも、精鋭の兵士を大量に失うことにはかなり神経質になっているだろう。

 最近北朝鮮憲法を改正したらしく、韓国を統一すべき同胞から敵国に認定した。

 韓国の大統領が変わり、北朝鮮に友好的でなくなったと同時に本性を現し始め、米国と訓練を行う韓国を敵対視している。

 そんな状況で北朝鮮兵士を大量に失うというニュースが流れると、対韓国、アメリカへのメッセージとしても大きな痛手になるはずである。
 金王朝崩壊のきっかけにもなりかねない。

 話を戻すと、プーチン政権はよその国の兵力に頼るほど実は切迫しているのではないかということ。  それを裏付けるのがロシア国籍を取得したばかりの移民にまで、すぐに軍に登録して出陣させようとしていることだ。

 まあ、ロシア国籍を取って戦場に送られるくらいなら、タジキスタンに戻った方が賢明だろう。

 タジキスタンでは職がなく、苦労してロシア国籍を取ったのではないかと想像するのだが、それでも目的が豊かな暮らしや人生を求めてのことだったと思うので、戦場に送られるよりはマシだろう。

 ましてやロシアに家族がいるわけでもないし、元々別の国の人間だから、戦場では捨て駒として扱われる可能性大だよね。

 大規模な調査の結果、700人以上が軍に登録され、すでに17人が秋の徴兵って、それだけでも兵士不足の逼迫さが伝わってくるよね。

 いずれにしてもウクライナの一部を1週間程度で占領できると思っていたのが2年にも及ぶ長期戦になり、プーチン大統領としては大誤算ではあるだろう。

 ただ、プーチン大統領としては、ここまできたら強いリーダーとして振舞わなければ、ロシア国民の反発にあい、プーチン氏自身政権維持ができなくなる可能性があるから、何としても権力にはしがみつき、強硬姿勢を崩さないだろうな。

 中国ロシアに援助しなければ、プーチン大統領もギブアップだったように思うけど。
 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領アメリカ、EUからの支援がなければ、ここまで持たなかったのも事実だろう。

 両国とも多くの戦死者や重傷者を出しても続いている戦争。
 食糧や輸送など世界経済に与えるダメージも大きい。

 早く落としどころを見つけて停戦してほしいというのが、正直なところだ。
 どこの国の人達でも、特に一般市民にとって戦争は、苦しみ以外の何物でもないだろう。