ウクライナ戦争の被害範囲
『【AFP=時事】スペイン警察は3日、ウクライナ難民の避難先を狙って窃盗を繰り返していた容疑で、ウクライナ人7人とロシア人3人を逮捕したと明らかにした。被害額は計125万ユーロ(約1億8000万円)。
治安警察(Guardia Civil)によると、容疑者らは「貯金や貴重品を持参していることが多い」ウクライナ難民を標的にしていた。
被害者の車に全地球測位システム(GPS)追跡装置を取り付けて不在を確認した上で、地中海沿岸にある東部アリカンテ(Alicante)県とムルシア(Murcia)県でウクライナ難民の避難先7軒に侵入したとみられている。
警察は、約50万ユーロ(約7200万円)相当の切手コレクションや宝飾品類、コンピューターなど、合わせて125万ユーロの現金と盗品を押収した。被害者と逮捕者はさらに増える可能性がある。
ロシアがウクライナへの侵攻を開始して以降、スペインは16万人のウクライナ難民を受け入れ、一時保護措置を取っている。【翻訳編集】 AFPBB News』
スペインでウクライナ難民から貴金属など金になる物を盗む輩が現れたというニュース。
その捕まった犯人は同国人のウクライナ人と敵国であるロシア人。
ウクライナ難民はウクライナを離れる前に、自分の資産も持ち出している人が多い。
陸続きだから車で脱出した人も多かったのだろう。
7軒で約7200万円。1軒当たり1000万弱。けっこう凄いよね。
その点、アフリカ難民、シリア難民などとちょっと違う。
着の身着のまま命からがら逃げてきた難民とは、大きく違う点だ。
難民受け入れ国としても多額の税金を使って受け入れるより、ある程度自分達で生活の基盤を築ける難民とでは状況が大きく変わってくるよね。
それにしても同国人であるウクライナ人が窃盗をしていたいうのは何とも悲しい。 要は、同胞の苦しみに上乗せする悪質な犯罪だからね。
私も海外旅行よくしているので、異国で日本人に会うとつい 気を許してしまうのはよくわかる。 同じ言語、同じ境遇だと思えば、シンパシーも 生まれやすい。
自分達だけ良ければいいいう考え方はねー。
ただ、犯人はウクライナ人だけでなくロシア人も混ざっていた。
ウクライナ人の中にもロシア親派という人がいて、ロシア語で話しロシアに帰属したいと考えている人たちがいる。 そういうウクライナ人の犯行かもしれない。 それなら辻褄が合う。
国籍はウクライナ人でもロシアに忠誠を誓っているから、異国でウクライナ難民が困っても何の痛みも感じない。それどころか、敵対する同国人が苦しんで、自分達にも利益が出るとなれば一石二鳥だ。 この事件は、なんかそんな気がするな。
いずれにしても難民となって受け入れてもらった国でも財産死守に気を付けないといけないウクライナ人は大変だな。
ウクライナ男性は武器を取って戦わないといけないので、国外に脱出できなかったはずだ。 そんな家族や友人の心配をしながら、異国での生活に順応しなければいけない。
そういう状況の時に、被害者の車に全地球測位システム(GPS)追跡装置を取り付けて不在を確認した上で犯行に及ぶ犯人。ちょっと組織的な臭いがする。
今回犯人が捕まってウクライナ人とロシア人という素性が明かされたけど、これは捕まらなかったらスペイン人だと思って、ウクライナ難民は人が信じられない疑心暗鬼に陥るんじゃないかな?
戦争って、その場の被害だけでなく、多方面に渡って大きな被害をもたらす。改めて思う。
ウクライナは世界的な穀物輸出国だったが、爆撃により農地が汚染されてきているというニュースもある。 豊かな大地が汚染されると、1年や2年で元には戻らない。最悪の場合は、そこで作物を作られなくなるかもしれないのだ。
また、汚染されなくても戦車が通って、土ががちがちに固められれば、作物も育ちにくくなる。
ウクライナにとって、穀物の輸出は大きな外貨獲得の手段だったが、今後戦争が長引くとそれも危うい。 輸出が減ればウクライナだけでなく、その食糧で命をつないでいた国で飢餓状態が起こる可能性もある。
値段が高騰すれば、世界の貧しい国では食料が十分確保できなくなる可能性も大だ。
ロシアがウクライナに侵攻してから1年。 泥沼化してきたが、これで利益を得たのは兵器会社だけではないだろうか。
1人のプーチンという独裁者の欲望で突き進んだが、結局ロシアは何を得たのか。
ウクライナの惨状を見て、フィンランドとロシアの国境にはフェンスが建設される。 そしてスウェーデンともにNATOへの申請を決定した。
NATOというのは「集団防衛」「危機管理」「協調的安全保障」の三つを中核的任務としているが、一番大きいのは「集団防衛」だ。
加盟国の領土及び国民を防衛することがNATO最大の責務ということで、フィンランドとスウェーデンはロシアを敵国と認定したのに等しい。
ウクライナはNATO加盟国ではないからロシアに対して自国民だけで戦わなければいけないが、NATO加盟国であれば他の国、例えばドイツやフランスも参戦できることになる。
これまでロシアを刺激するのは良くないということで中立を保ってきたフィンランドとスウェーデンが大きな方針転換をしたのだ。
ロシアは旧ワルシャワ条約機構加盟国の多くがNATOに加盟し、ロシアの安全を脅かすという大義名分でウクライナに侵攻した。
でも結果は、ロシアの影響力が低下するのと中立国まで敵に回してしまった。 まだまだある。旧ソ連のジョージアもNATO加盟申請しているし、これまた旧ソ連でロシア配下とみなされていたカザフスタンもウクライナ侵攻によってロシアと距離を取り始めた。モルドバだってそうだ。
隣国がNATOに加盟すれば、ロシアのプーチンが一番恐れていた事態になる。
ウクライナ侵攻でロシアの国際的地位は急降下し、ロシア経済も破綻寸前といわれている。
戦争は長期間に渡って、広範囲の人々に多大なる迷惑を与える。 それをたった1人の独裁者が行える世界も何とか変えていかなければいけないのだろう。
かつては仮想敵国でも経済的結びつきが濃ければ、戦争によって攻めてきた国の経済も悪化するから、簡単には戦争を起こさないだろうという理論があった。
例えば、ドイツはロシアからの輸入にエネルギーをかなり頼っていた。ドイツと戦争すると、ロシア経済も大きなダメージを受ける状況だ。だからドイツには攻めてこない。ドイツは安全だという理論だ。
逆に、それをプーチンは利用しようとして判断を見誤ったかもしれない。
ドイツはロシアにエネルギー依存しているから、ロシアのウクライナ侵攻に強く口出ししてこないと。 でも現実は違った。
今回のロシアのプーチンを見る限り、正常な判断で物事が決まらないことも多々あることを示したね。だからこそ、独裁者1人で世界にダメージを与えられる世界を何とかしないといけない。