フランスの自転車通勤奨励からみる

フランスが自転車奨励

『【AFP=時事】フランスでは従業員に自動車の利用をやめて、より環境に優しく健康的な選択肢として社用自転車を提供する企業が増えている。

 電動自転車の普及新型コロナウイルス流行の影響が加わり、昨年の自転車通勤率は15%増となった。これには、社員の自転車利用を奨励しようという企業の制度も貢献している。

 仏南東部リヨン(Lyon)近郊のIT企業コエクシア(Coexya)で働くレミ・トリコーさん(44)は完全に車を手放すことにした。

 自動車通勤のときは片道40分かかることも多かったが、今では「雨が降っていても20分で行ける」という。「道を覚えれば、いい場所をいろいろ通って行ける」と楽しげだ。  

 同社がフランス全土で従業員用に用意してある自転車は、2021年の75台から今では120台に増えている。すべて電動モデルだ。

 トリコーさんが払っている月額のレンタル代35ユーロ(約5500円)には車両・盗難保険が含まれている。また、かごなどの装備品代として3年間で120ユーロ(約1万9000円)の手当が支給される。

 販売代理店シクラブル(Cyclable)からの長期リースで、3か月ごとに整備士が社屋まで出張してくれる。トリコーさんは、自分でメンテナンスをする必要がない点が大きな決め手になったと語った。

 コエクシアの総務部長レイラ・ジュリアン氏は、新人採用でも自転車通勤をアピール材料にしたいと語った。 「当社は運転免許や車を持っていない若い従業員が多いが、公共交通の便が悪い場所にある。雇用市場が厳しい中、より魅力ある企業としてアピールしたい」

 ただし、フランスでは社用自転車はまだ比較的ニッチな市場だと、自転車利用者連盟(FUBのルイ・デュトワ氏は指摘する。

 企業が従業員に貸し出している自転車は、ドイツの100万台に対し、フランスは「1万~2万台」と業界では推定している。  それでも、80社に計1000台の自転車を提供し、2020年以降毎年売り上げが倍増しているタンデム(Tandem)のような新興企業がこの機を捉えようとしている。

 ■レンタルから自分の1台へ
  会社の自転車をレンタルするだけでなく、自分の自転車を購入する人も増えている。

  フランス社会消費研究所(ObSoCo)によると自転車市場は数十億ユーロ規模で、フランスの家庭の半数以上が少なくとも1台の自転車を所有しているという。

 「サイクリングは本当に楽しい。身体的な健康にも、精神的な健康にもいい」。仏中部トゥール(Tours)で働く医師のセシリア・ルースロドニさんは、毎日往復13キロを自転車通勤している。

 「閉ざされたオフィスでは分からない季節を感じることができる。毎朝、車だったら目にできない小さな発見がある。心理的にもいいことだらけだ」

 ■サイクルツーリズムにも期待  

 ただし自転車が愛好家が増えるにつれ、インフラの問題も持ち上がっている。ObSoCoによると、ルートのほとんどで自転車専用道路を利用している人は、サイクリスト全体の半数にも満たないという。  
 今年5月、エリザベット・ボルヌ(Elisabeth Borne)首相は2030年までに現在の倍の「10万キロの自転車道」を整備する目標を掲げた。

 この構想はドイツを抜いて世界有数のサイクル観光地になるというフランスの目標にも弾みをつけるだろう。【翻訳編集】 AFPBB News

 私は昔から自転車奨励者だったが、ようやくこういう風潮になってきたかという感じ。

 車やバイクは排ガス問題があり、地球環境に大きなダメージを与えている。
 空気も悪くなり、人々の健康にも悪影響を与えるのは周知の事実。

 その結果、ガソリン車は廃止して電気自動車を使うようにしようという流れになっている。法的規制を設けてきている。

 電気自動車環境に優しいよねという宣伝がなされているよね。
 でも本当にそうなのだろうか。

 電気自動車は電気で走る。電気はクリーンだという単純思考。

 じゃ、電気はどのように作られるのか。
 色々な発電方法があるが、現在世界のほとんどが化石燃料を使っている。
 つまり、石炭、石油、天然ガスなどだ。

 ほとんどの国で化石燃料での発電比率が半分を超えている。
 中国などは2018年データで石炭が67%だ。
 日本だって、石炭32%、ガス36%だ。

 主要国では唯一フランスだけ原子力発電が70%を超えていて、化石燃料発電の比率が低い。

 ただ原子力発電は事故が起きた場合、被害が甚大になるのでかなりリスクを負うことになる。

 特に日本では東日本大震災による福島の原子力発電所の大事故は、日本人原子力発電への嫌悪感を植え付けた。日本で原子力発電の比率を上げるのは現実的ではないだろう。

 ということはだ。 実際に自動車やバイクからの排ガスは減るかもしれないけど、電気を作る発電過程で出るものはどう考えているのだろう?

 全て電気自動車に変えないといけないとなると、今の倍以上の電気が必要になってくるのではないだろうか。倍では済まないだろう。

 中国などは67%石炭が占め、ガスなど他の化石燃料を含めると70%だ。 アメリだって石炭28%、天然ガス34%だよ。

 そして日本の発電量を1とすると、アメリは4.4倍、中国に至っては7倍もの発電量なのだ。
 結局、自動車やバイクからの排ガスは減っても、電気を作るために二酸化炭素(CO2)排出は必然なのだ。

 風力や太陽熱、地熱などクリーンな方法での発電にシフトして行かなければ、地球にやさしいとは言えない。 だから、私は自転車推進派なのだ。

 遠出する時には仕方がないかもしれないけど、通勤や通学など普段の生活に自動車やバイクを控えるだけで、環境にどれだけ良い影響を与えるか。

 自転車は環境に優しいというだけじゃない。 健康にも優しいのだ。
 
 ジムに行って自転車をこぐマシーンで体を鍛えている人も大勢いるが、普段の生活でそれができてしまう。 また、自転車だと渋滞でもすり抜けられたり、近道できたりと、意外と時間短縮できる場合もあるだろう。

 それに加え、四季折々の景色が変わることに気づきやすく、新たな発見が生まれやすい。
 体感的にもそうだろう。

 特にアイディアなど創作するクリエイターの仕事についている人なら、日常の新たな気付きからヒントを得てアイディアが浮かぶこともあるだろう。

 いつも車の中で変わり映えしない日常よりは、新しい発想が得られやすくなるのではないか?

 ただ自転車を普及させるためには、企業側の奨励もそうだけど行政の道路整備なども大きな課題となってくるだろう。

 大きな街の中には自転車はスピードが遅い乗り物として邪魔者扱いされているのではないかというような所もあるが、自転車通勤を促進するにはそういう環境整備も考えていってもらいたい。

 最初はお金がかかる部分もあるかもしれないが、住民が健康になって医療費などの負担が減ったり、新たなベンチャーが生まれるなど良い面も期待できそう。

 精神的にも気分転換になっていいというのもあるし、朝運動をすると脳が活性化されて仕事の効率も良くなるというデータもある。

 自転車通勤や通学は、半強制的な運動になり、気付かないうちに仕事や勉強の効率が上がったなんてことも出てくるんじゃないかな?  

 そうすると一石二鳥だよね。