アフリカの水不足、カバの群れが干上がり命の危機

アフリカのカバがピンチ

 『【AFP=時事】干ばつに見舞われているアフリカ南部ボツワナで、絶滅危惧種のカバの群れが干上がった水辺の泥にはまり、命の危機にひんしている。自然保護当局が26日、AFPに明らかにした。

 アフリカ南部は現在、エルニーニョ(El Nino)現象による深刻な干ばつに見舞われており、農作物の不作と数百万人規模の飢餓の脅威にさらされている。周辺国の一部は災害緊急事態を布告している。  
   ボツワナ北部に位置する広大なオカバンゴ湿地帯(Okavango Delta)ではタマラケイン川(Thamalakane River)が干上がった影響で、カバの群れが観光都マウン(Maun)に近い水場に移動せざるを得なくなっている。

 ボツワナ野生生物・国立公園局の広報を担当するレセゴ・モセキ氏は「河川系が干上がり、動物たちは危険な状況に陥っている」と懸念する。

 ボツワナの野生カバの生息数は世界有数で、国際自然保護連合(IUCN)の推計では2000~4000頭とされる。

 モセキ氏は「河川系の植生は乏しいため、ンガミランド(Ngamiland、ボツワナ北部地域)のカバオカバンゴ湿地帯水系を流れる水に依存している」と説明した。泥にはまって死んだカバの数についてはまだ調査中だという。

 カバの皮膚は厚みはあるがデリケートで、通常は湿潤地域に生息し、日焼けを避けるために定期的な水浴びを必要とする。

 水がない環境では攻撃的になったり、人里に近づいたりすることもある。地元当局は人との衝突を避けるために、カバを保護区へ戻すことを要請している。』  

 今回のアフリカ南部のボツワナと言ってピンとくる日本人は少ないだろう。
 アフリカの国の中でも、特にサッカーやラグビーのスポーツが強いわけでもないし、有名な産業があるわけではないので、日本人にはなじみが薄い国だ。

 ただ、ボツワナはクーデターがよく起こっているアフリカの中で政情が安定している国だ。
 だからこそ、日本のメディアに取り上げられないという面もある。

  天然資源ではダイヤモンドが世界第2位だが、それよりもボツワナの売りは自然と野生動物だろう。  そのボツワナ観光の売りの1つである野生動物のカバがピンチを迎えているというニュース。

 エルニーニョ現象で、タマラケイン川(Thamalakane River)が干上がった影響でカバの水の確保が難しくなっているのだ。

 カバの皮膚は厚みはあるので丈夫なだろうと思っていたが、デリケートで日焼けを避けるために定期的な水浴びを必要とするというのは知らなかった。  

 つまり、カバは川や湖、池などの水辺のほとりでないと生きられないという事か。
 そのカバたちが泥にはまって死んだらしい。その死んだカバの数を調査中という事だ。

 ボツワナの野生カバの生息数は世界有数で、国際自然保護連合(IUCN)の推計では2000~4000頭とされるが、今回の水不足でかなり減少してしまうかもしれない。

 世界的に見ると、ロシアとウクライナ戦争イスラエルパレスチナ問題など紛争に大きな財源を必要としている所がある。

 軍事政権の横暴さから内戦状態になっているミャンマーでさえ、世界的にはほとんど見向きもされていない状況だ。 そんな時にボツワナの野生動物に目を向ける人は少ない。

 ただ、こうしたニュースによって、少しはアフリカの国の状況が知られるのは良い事だと思う。

 それにしてもアフリカでも東部のタンザニアケニアは洪水に見舞われ、南部のボツワナは干ばつ・・・。世界的に異常気象と言えるんだろうな。

 野生動物もそうだが、水不足になれば人間も困ってくるだろう。
 洪水でも干ばつでも農業生産にとっては、どちらも大問題だしね。  

 やっぱり海水や空気中から水を作るシステムを作ると干ばつが起こりやすい国では有効だと思うな。  実際、空気中には水分があり、水を生成できる空気製水器というものがある。

 電気は必要だが、空気製水器のような機械を国際協力に役立てていけるといいね。