上海ロックダウン
厳しい移動制限や隔離を伴う「ゼロコロナ政策」が背景にあり、医師らからは政策の緩和を求める声が公然と上がっている。
台湾紙・自由時報(電子版)によれば、市南西部の松江区で8日夜、住民らが食料を求めて屋外で抗議する騒ぎがあった。制圧しようとする警官が威嚇発砲したとの情報があるという。
中国のSNSには、感染者の隔離施設で食料や物資を奪い合う様子や、集合住宅地で「ご飯を食べたい」と大声で叫ぶ住民らの動画の投稿が相次いでいる。
封鎖開始から1週間以上たっても食料の配給がない人も多い。上海市副市長は9日の記者会見で「全力で改める」と謝罪した。
ゼロコロナ政策の見直しを求める声は強まるばかりだ。上海で確認された感染者は専用施設に隔離されるが、9割以上は無症状だ。
市内の感染症専門医は8日、医療関連のインターネットサイトで「古い方法で新しい問題を解決することはできない」とし、無症状の人は自宅隔離に切り替えるよう主張した。
中国広東省の大学教授らも最近、ゼロコロナ政策について「コストが高すぎる」「中国はコロナと共存できる」として、見直しを求める論文を国際学術誌上で発表した。
習政権は首都・北京市への感染拡大を強く警戒しており、ゼロコロナ政策を堅持する構えだ。
2日に上海入りした 孫春蘭 (スンチュンラン)副首相も約1週間にわたって市内を視察し、「ゼロコロナ政策の堅持」を繰り返し強調。
7日の共産党機関紙・人民日報(電子版)も「コロナとの共生という消極的な言論」を強く警戒しなければならない、とする評論を掲載した。』
コロナ発生から3年。
ところが、そんな世の中で中国だけはコロナの撲滅すべく、ロックダウンを行っている。 大都市の上海で、完全なロックダウンが行われているというんだから驚きだ。
苦しいか隔離や移動制限を設定しているにもかかわらず、食料の配給が滞り、住民による抗議が頻発している。
いや~、部屋に閉じ込めて買い物できないようにして、その食料配給が滞っているって兵糧攻めじゃん。 色々言い訳をして住民の息の根を止めてしまう。 なんて戦争当時じゃないんだから。
ただ、上海は2600万の大都市。 完全に買い物などの移動を禁止して、食料を配給といっても物理的に困難を極める。 そんな人数の配給を考えただけでも、いつ自分に食料が届くのか気が気でないだろう。
食料のストックがなくなれば餓死への道だしね。 さすがに上海市民が餓死するというのは考えにくいが、自分の必要なものを自由に買えないというのも、かなりのストレスだろうことは想像できる。
ましてや外国人などで中国語が満足に話せない人は、メチャクチャ不安だろう。
他のニュースでも乳児がコロナに感染したら、通常母親は付き添えず、感染者になれば一緒にするという内容のニュースで、かなり不評を買っているらしい。
病院の看護士なんか、たくさんいる乳児が泣き喚こうが、ほとんど世話をしないとわかっているからだ。実際に、そういう動画も出回って、残された母親の方が精神的ストレスが多いとも。
ゼロコロナ政策について「コストが高すぎる」「中国はコロナと共存できる」として、見直しを求める論文を発表したということだが、習近平政権は今後もゼロコロナ政策を続行する構えだ。
北京のコロナを警戒するために、上海市民の買い物まで禁止するロックダウンを実施するのは、理由としては不可解だ。
実はこれって、中国の政治的問題なんじゃないかなと思う。
ところが、外交面だけでなく、経済は失速し、大手不動産会社の不良債権問題など中国国内、国外とも問題は山積みだ。 ウイグル自治区での人権問題もあり、海外企業の撤退もみられる。なんとしても点数を稼ぎたいのが習近平氏の思惑だろう。
これらは あくまで推測だが、実際に不便を強いられ精神的に厳しい状況に置かれているのは上海の人達である。
上海は外国人も多く住んでいる。 突然のロックダウンで、相当な精神疲労を患っているようにも思える。 いずれにしても、上海の人達に早く食料など必要なものは買えるようにしてほしいものだ。