電気自動車市場の未来展望:競争力と技術力の新時代

電気自動車メーカー淘汰の時代

 『電気自動車市場が停滞すると、乱立していた新興電気自動車スタートアップの「玉石選び」が始まった。「電気自動車」というレッテルさえ貼れば桁外れの投資を誘致した数年前と状況が一変した。

  13日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、米電気自動車のスタートアップ「フィスカー」が破産する可能性が高くなったと報じた。

  フィスカーの株価は2020年の上場以降、97%も暴落した状況だ。フィスカーアストンマーティンBMWなどのスポーツカーをデザインしたヘンリック・フィスカーが設立した。

 わずか数年前までは、フィスカーの高性能電気スポーツカー「カルマ」は、俳優レオナルド・ディカプリオ、歌手ジャスティン・ビーバーなどの有名人に選ばれて話題を集めた。

 「ベトナムのテスラ」と呼ばれ、ナスダックに上場された「ビンファスト」も昨年10-12月期の純損失6億5010万ドルに達した。

 ベトナム国民電気自動車企業に成長したが、電気自動車の需要減少とともに値下げ戦争まで激しくなり、昨年の販売台数(3万4855台)も低迷した。目標値の5万台にはるかに及ばない数値だ。

 このため、昨年8月の上場の際、バブルに乗って1株当たり70ドル(約1万400円)付近まで値上がりした株価も同日基準で4.98ドルまで急落した。

テスラ後発隊」の中で最も技術力でリードしているという評価を得ている「リビア」の状況も変わらない。リビアは今年の生産目標を従来の8万台から5万7000台に下方修正した。昨年10-12月期の純損失は15億ドルに達した。

 実績発表の時は費用縮小プログラムの一環として1万4000人の職員の内10%を解雇すると明らかにしたりもした。 業界では、電気自動車の成長の勢いが鈍化し、バブルは減り、優良技術を持つ企業だけがろ過されるだろうという見方が多い。

 ブルームバーグ傘下のエネルギー調査機関BNEFによると、グローバル電気自動車の販売成長率は2021年103%、2022年61%、昨年33%に下がった。

 BNEFは今年は21%の成長にとどまるとみている。
 実際、電気自動車の普及が早かった中国は、すでに厳しい構造調整を経験した。ブルームバーグは、2019年に500社を超えた中国の電気自動車メーカーが昨年基準で100社に減ったと紹介した。

 中国だけの現象ではない。WSJが2020年から2022年まで米国証券市場に上場した電気自動車関連スタートアップ43社を自主調査した結果、18社以上が流動性危機に直面すると見通した。

 自動車業界関係者は「電気自動車のスタートアップが既存の完成車メーカーより電気自動車の需要変化にさらに致命傷を負う」とし「電気自動車の販売が不振な時期を克服する内燃機関ハイブリッドのような代案がないため」と説明した。』

 ガソリン車はいずれ許可されなくなるという事で5年くらい前は電気自動車ブームが起きていた。

 テスラの成功を見て、電気自動車はガソリン車とは違ったコンセプトでの車作りだったから。そもそも自動車会社ではない会社からの参入が相次いだ。  

 内燃機関よりも半導体やバッテリー、ITソフトに強いところが有利な構造となった。

 その典型的な例がBYDだろう。  
 BYDは正式名称は比亜迪股份有限公司で、1995年に王伝福氏により中国・深圳市バッテリーメーカーとして創立された企業だ。

 そのバッテリーメーカー電気自動車産業に参入して20年で世界のトップ10、電気自動車(EV)に限ってはテスラを抜いて昨年の世界のEV販売でトップに立ったのだ。

 BYD電気自動車(EV)産業で後れを取っている日本でも販売開始している。

 中国の電気自動車会社は政府からの補助金も大きかった。
 そうして中国では電気自動車会社が乱立したわけだが、そのブームも落ち着いて売上率も鈍化してきた。それに伴って、中国などでは多くの電気自動車会社が倒産に追い込まれ、売れなかった電気自動車が空き地に放置されて問題にもなった。

 そのEV販売傾向は中国だけではなく世界に波及していたようだ。  
 
 アメリでも、レオナルド・ディカプリオジャスティン・ビーバーなどの有名人に選ばれていた「フィスカー」はなんと株価が97%暴落して倒産の危機らしい。
  有名人に選ばれた会社でもこんなに落ち込むなんでビックリ。
 「フィスカー」は高級車志向で富裕層をターゲットにしていたのかな?

 電気自動車と言っても安いわけではなく、テスラもガソリン車よりもかなり高額な価格設定になっているよね。それにガソリンスタンドほど電気を充電する所が整備されていない地域において普及は難しい。  

 ベトナム初の国産自動車会社ビンファストは当初ガソリン車も製造していたが、電気自動車専門に方向転換した。

 ベトナムラオスではビンファストEVはタクシーとしても利用されている。
 だけど、当初は好調だった売り上げも伸び悩み。

 ベトナムバイク社会で車そのものを所有している人が少ない。値段も高い為、ベトナム国では一部の富裕層しかターゲットにできないなど、市場規模にも問題がある。

 ビンファストヨーロッパやアメリカでの市場で勝負するには認知度と価格、販売ルートの開拓などが大きな課題となってくるだろう。

  昨年8月の上場の際はバブルに乗って1株当たり70ドル(約1万400円)付近まで値上がりした株価が、今では4.98ドルまで急落したらしい。

 半年ぐらいで65ドルも暴落した・・・。  いや~、株主は泣くに泣けないんではないかな。
 なんか仮想通貨並みのボラリティだね。

 電気自動車会社もこれからは技術力と価格設定が非常に重要になってくるね。
 これまで助成金で潤っていた会社は、きちんと販売競争力がなければ淘汰される時代に突入したというわけだ。

 とはいえ、EV業界がなくなるわけではない。
 ソフトのアップデートがハード面などよりも重要視されるかもしれない。

 自動運転などは、大量の電気を消費するので、ガソリン車は構造的に不利とされている。
 ハイブリッド車がどこまで許可されて、需要が伸びるかにもかかわってくるけど、電気自動車がなくなるわけではない。

 自動運転は膨大なデータが安全に直結する。  
 将来の投資をトヨタやホンダがこの状況をどのように見ているか、大いに気になるね。