シャチの復讐

怖いシャチの攻撃

ポルトガルやスペイン沖で、シャチにより船が沈められる事態が起きている。

 その海域でのシャチの攻撃は、2020年ごろから報告されいる。シャチは船の舵をターゲットにしているそうだ。 5月2日にも同様の被害が報告された。
 ニューヨーク・タイムズが報じている。

 船長のグレゴリー・ブラックバーンさんとクルーは、ロッコからポルトガルへ向かう船旅中、長さ約14メートルの船の舵に問題があることに気づいた。

 しばらくすると、水中にシャチを数頭発見。シャチは船と同じ速度で泳ぎ、舵に何度も噛み付いたという。 約1時間後、クルーはスペイン沿岸警備隊に事態を報告した。

 グレゴリーさんは必死に舵をとり、シャチが船体にぶつかってくるのに耐えたと言う。

 「自然界の食物連鎖で、人間がどの位置にいるかを思い知らされた」と語っている。 同乗していた写真家ボートやヨットのスティーヴン・ビッドウェルさんはこう振り返る。

 「何もなす術がなかった。シャチを見て感動する一方、緊張した」 その後、船は無事モロッコ・タンジェに引き返した。 シャチの目撃や攻撃の報告は、2020年からすでに約500件を超えている。

 大西洋のシャチの保護団体(GTOA)に所属するアルフレド・ロペスさんは、そのうちの約20%で船体が故障し、船が動かなくなったという。

「とても稀な行動で、この海域でしか報告されていない」 ポルトガル・アヴェイロ大学の生物学者、ロペス・フェルナンデス博士は、2020年ごろからイベリア半島の西海岸で報告されている攻撃は、約15頭のシャチの群れによるものだと説明する。

 群れのうち、大人のシャチは2頭だけだという。 原因はまだ解明されていないが、ロペス博士はこう推測する。

シャチは、群れの仲間や子どもらに行動を受け継ぐ習性がある。(船を攻撃する)行動を真似し、学習しているのではないか」

 また、シャチの攻撃はこの海域でしか確認されていないため、世界中のシャチが攻撃を始めることは考えにくいとロペス博士はいう。 攻撃をしかけるシャチにどう対処すべきか、海洋学者の間で懸念の声が上がっている。』

 イベリア半島沖でボートやヨットなどがシャチに襲われる事件が頻発しているらしい。

 シャチホオジロザメより強く、賢い。  

 氷の上にアザラシがいれば、何頭かで周辺をジャンプして波を起こし、氷の上のアザラシを海中に落として捕食するような賢さを持っているのがシャチだ。

 パワーだって凄いし、ある意味、シャチは海の王者とも言える。
 そのシャチがボートの舵を壊して、船を沈没させるような事件が起きているらしい。

 ポルトガルやスペイン沖だけで発生しているので、あるグループがそれをして、子供達が学習していると言われている。  このグループは15頭とみられ、そのうち大人のシャチは2頭だけらしい。

 それで500件もの事件を起こしているというんだから、マジで恐ろしい。

 シャチの子供達が成長し、自らグループを形成することはないのだろうか?
 そんなことがあれば、群れの仲間や子どもらに行動を受け継ぐ習性がある賢いシャチが、どんどん船を攻撃するようになるかもしれない。

 舵が壊されて、船を動かすことができなくなった時、あのシャチの大きな体で体当たりされたら、どうしようもないだろう。

 海に投げ出されれば、シャチの餌になるのかもしれない。いや、餌にならなくても、陸から離れた場所で船が沈没してしまえば、助かる確率はほとんどないだろう。

 ニュージーランドなどでは人に慣れたシャチなどもいるようだが、一度牙をむくととんでもない獰猛な動物だという認識が大事だ。  

 それにしても、動物も進化していくんだね。  

 ロシアベルーガ(白イルカ)を訓練してカメラなどをつけてスパイをさせていたニュースも見たが、そういうシャチも出てくるのだろうか。